本記事は喜多日菜子 Advent Calendar 2020 12月23日の記事です。
おはようございます。たくみP(imas_cg集計 @shuukei_imas_cg)です。今回は自分のアカウントの初心に振り返り、Pixivにおける日菜子イラストの傾向がシンデレラガールズ9年間の間にどのように変化していったかをまとめてみたいと思います。
ちなみに昨年度の喜多日菜子 Advent Calendarでも日菜子の「むふふ」のバリエーションとその頻度分布を書いて参加しておりますのでよろしければご覧ください。
Abstract
Pixivに投稿された喜多日菜子イラストの投稿数と共起タグを年単位で集計し、その推移を概観した。
デレマス初期はユーザ主導の自由な組み合わせで描かれたイラストが多く、徐々に特定の属性(身長)に着目した組み合わせが多くなり、近年では公式ユニットの活躍によりそれらをモチーフとしたイラストが増えている状況が見えてきた。
なお、シンデレラガールズ全アイドルを俯瞰した集計についてはモバマス-Pixiv集計所にて行っているので合わせて参照されたい。
対象データ
- イラストSNS「Pixiv」よりメタデータをクロールして収集(2020-12-20に実施)
- 「アイドルマスターシンデレラガールズ」および「喜多日菜子」の文字列を含むタグが付与されているイラストを対象とする
- #喜多日菜子/○○/△△/□□/ のように複数の人物名を列挙するタグなども対象となる
「あるアイドルのイラストであるか否か」はあくまでタグでしか判別していないことに注意されたい。
タグが付いていなかった場合には集計の対象外となる。また、複数のイラストを描き溜めてまとめて投稿する場合、必ずしもアイドル間に関係があるとはいえないのに「#喜多日菜子 #(アイドル名)」の形式で共起タグとして計上されるが、共起回数上位への影響は少ないものとして許容している。
1年単位の日菜子イラストの変化
筆者が運営する「モバマス-Pixiv集計所」の個別集計-喜多日菜子では、シンデレラガールズにおけるエポックメイキングな日時(アニメ放映開始、デレステサービスインなど)で区切って4つの期間で可視化を行っている。本稿ではそれとは異なり、1年単位でカレンダー通りに区切ってその変化を概観したい。
タグクラウドは共起タグ上位200個を対象として生成している。
また、共起タグからは、タイトルそのものを示すタグ(「アイドルマスターシンデレラガールズ」や「デレマス」「モバマス」など)、「アイマス1000users入り」などのブクマ数に応じたタグ、「漫画」「うごイラ」「落書き」などのイラストそのものの形態を示すタグは除去している。
カード名は特に記載がない場合はmobage版シンデレラガールズ(モバマス)のカードを指す。
全期間通し
イラスト枚数: 1595枚(ただし2020-12-20まで)
タグクラウド:
2011-11-28~2020-12-20までの期間を通して投稿されたイラストすべてでタグクラウドを作成すると上図のようになる。共起回数の多いタグ(この場合はおもにアイドル名)ほど文字が大きく描かれるので、より「一緒に描かれやすいアイドル」ほど文字が大きくなる。
これが年単位でどのように変化し構築されていったのかを年単位で調査していきたい。
2011年
公式の動き
- 2011-12-31 喜多日菜子初登場 R喜多日菜子 (コンプガチャ「貴音の華」)
イラストの状況
イラスト枚数: 0枚
初登場が大晦日の23時という滑り込みセーフ状態であったため、2011年中に描かれたイラストは0枚だった。ちなみにPixivに残る最古の喜多日菜子イラストは、みくも氏の「がっかりモバマス4コマ その5~8」(2012-01-12)である。
2012年
公式の動き
- 2012-04-26 初のSRカード登場 SR[妄想お姫様] (「アイドルサバイバル in テーマパーク」完走報酬)
- 2012-10-25 初のガチャSR SR[妄想☆暴走★] (「ハッピーハロウィン」スカウト券付ガチャ)
イラストの状況
イラスト枚数: 162枚
タグクラウド:
輿水幸子、小日向美穂、神崎蘭子、神谷奈緒など後年ではあまり見られない名前が上位に上がっている。モバマスも黎明期であり、固定されたユニットの組み合わせではなく、エンドユーザが自分の好きな子を自由にフロント編成で組み合わせていた時代が見てとれる。(幸子については単純にイラストの総量が多い影響もある)
「妄想つながり」ということで越境で「音無小鳥」も4件あるところが面白い。
2013年
公式の動き
- 2013-07-18 R[花火祭り]、[花火祭りスマイル] (「アイドルプロデュース 夜空に咲く花火編」プロデュースアイドル)
- 2013-12-10 SR[ビューティフルドリーマー] (「第2回アイドルLIVEロワイヤル」上位報酬)
イラストの状況
イラスト枚数: 130枚
タグクラウド:
生誕祭タグの比率が大きくなり、日菜子のイラストを描いて誕生日(04/06)をお祝いする、固定ファン(担当P)層ができてきたことが見受けられる。
アイプロが実施されたが、共演した川島さんや紗枝はんとのイラストは相対的には多くなく、安部菜々、輿水幸子、三村かな子、相葉夕美、佐久間まゆなど、ユーザ側で「きっとこの子らを組み合わせると楽しい」という方向性のイラストが多い。
棟方愛海(2013-01-18にお仕事-北海道エリアで初出)が新規に登場したことで、日菜子と同じ身長(151cm)であるという共通点からか、はじめてカップリングのタグといえる「あつひな」が出現している。
2014年
公式の動き
- 2014-03-31 R[グリッターステージ] (「WONDERFUL M@GIC!!&総選挙開催記念ガチャ」)
- 2014-09-12 R[ドリームペイント] (「貴婦人のたしなみカウントアップガチャ」)
イラストの状況
イラスト枚数: 105枚
タグクラウド:
佐久間まゆの比率が大きく上がっている。[ドリームペイント]喜多日菜子+の衣装が、5日後に実装されたR[ミニオンルージュ]佐久間まゆ+と併せたかのように似通っており、なんらかのユニット展開を匂わすものであった影響があると思われる。なお、実際にユニットとして正式に登場するのは3年以上後の「第28回アイドルLIVEロワイヤル」まで待たされることになる。
また、「第3回シンデレラガール総選挙」のタグからは、ユーザ側から能動的に総選挙でアイドルを応援しようという動きの萌芽が見受けられる。
2015年
公式の動き
- 2015-03-13 SR[妄想☆わんだふる] (「第9回プロダクション対抗トークバトルショー」上位報酬)
- 2015-09-03 スターライトステージ サービス開始
- 2015-10-09 SR[ワンダフルブライド] (「ワンダフルブライドリミテッドガチャ」)
- ぷちデレラ実装
- 2015-11-30 デレステR実装 (「キミに届け!クリスマスプレゼントガシャ」)
イラストの状況
イラスト枚数: 92枚
タグクラウド:
「真顔日菜子」のタグはSR[妄想☆わんだふる]特訓前で見せた珍しい表情が由来である。
デレマス全体の動きとしては、アニメ放映開始、スターライトステージ(デレステ)のサービス開始といった大きな動きがあり、アニメに出演したアイドルを中心にデレマスイラストの投稿数が大きく伸びた年であったが、日菜子に限れば「マイファーストスター」や「Star!」のタグに影響が見られる程度か。
2016年
公式の動き
- 2016-04-14 デレステSSR[夢見るプリンセス] (「プラチナオーディションガシャ」)
- 2016-07-17 SR[ひらひらふわり] (「第30回プロダクションマッチフェスティバル」上位報酬)
- 2016-12-26 R[ふらふら☆トリッパー] (「セトルダウンソウルドリームリミテッドガチャ」)
イラストの状況
イラスト枚数: 125枚
タグクラウド:
森久保乃々、高森藍子の比率が大きく向上している。これはなんらかの公式の絡みがあったというわけではないが、ポエムが趣味で自分の世界をもつ乃々や、同属性でゆるふわな雰囲気を醸し出す藍子との相性の良さが絵師に好まれたものと思われる。
また、依田芳乃が棟方愛海と同程度まで比率を伸ばし、タグクラウド中に浅利七海の名前も見えている。これらのアイドルはシンデレラガールズで(というより、全アイマスブランド全体でも)唯一の身長151cm組であり、そのまま「151cm」のタグも発生している。
春に、「デレステ初の未ボイスアイドルのSSR」となった[夢見るプリンセス]が実装され、日菜子P界隈は大きく盛り上がったが、映り込みのないカードイラストであったため、タグクラウドへの影響は少なかったようだ。
2017年
公式の動き
- 2017-07-12 デレステSR[妄想お姫様] (「シンデレラキャラバン」上位報酬)
- 2017-08-09 SR[フローティングファンタジー] (「フローティングファンタジードリームリミテッドガチャ」)
イラストの状況
イラスト枚数: 205枚
タグクラウド:
愛海、芳乃、七海ら151cm組の比率がますます大きくなっており、4人組の非公式ユニットとして定着した感もある(この時点で同身長の久川颯は未実装)。
今井加奈、矢口美羽、藤居朋の名前が見られるが、これは前々年のトークバトルショーで共演した3人である。美羽はブエナ・スエルテ(2016-12-31開始の「ドリームLIVEフェスティバル新春SP」にて初出)でのつながりもある。
2018年
公式の動き
- 2018-02-28 SR[パンジーズフェアリー] (「花の香りに誘われて♪フラワーフェアリーズ特別ガチャ」)
- 2018-08-17 SR[見果てぬ夢] (「見果てぬ夢ドリームリミテッドガチャ」)
- ※初ボイス実装
- 2018-09-19 デレステSSR[お菓子なドリーミング] (「プラチナオーディションガシャ」)
- 2018-12-19 デレステSR[Trust me] (「Trust me」イベント下位報酬)
イラストの状況
イラスト枚数: 267枚
タグクラウド:
この年に実施された第7回シンデレラガール総選挙でPa3位を獲得し、晴れてボイス(CV:深川芹亜)が付いた。ボイス付きSRの登場、デレステで2枚目のSSRの登場と相次いで出番があった影響か、イラスト投稿数も増え、声が付いたことにちなんだイラストが多く投稿されている。
151cm組が大きな割合を占めているのは変わらず。2018-03-17開始の「第28回アイドルLIVEロワイヤル」にて佐久間まゆとのユニット「ドリームアウェイ」が正式に登場し、まゆと2人でのイラストが増加した。
また、第7回総選挙の「同期」ともいえる鷹富士茄子、南条光(ジョイフルデイズ)の名前が上がるようになっている。
2019年
公式の動き
- 2019-02-28 SR[ファンシーポリス] (「ドキドキ体験!お仕事制服ガチャ」)
- 2019-07-05 逆輸入SR[夢みるプリンセス] (「夢みるプリンセスドリームリミテッドガチャ」)
- 2019-08-31 デレステSSR[トゥルー・ドリーム] (「シンデレラフェス」)
- 2019-12-20 デレステSR[ギュっとMilky Way] (「ギュっとMilky Way」下位報酬)
- 2人ユニットでの持ち歌歌唱
イラストの状況
イラスト枚数: 251枚
タグクラウド:
デレステの2019年最後のアタポン形式イベとして「ギュっとMilky Way」が実施され、待望の「ドリームアウェイの曲」が生まれた。この影響か「佐久間まゆ」と「ドリームアウェイ」のタグが大幅に割合を増している。
ドリームアウェイはこのイベント以前から、Twitter上の「#デレステ3周年CP」キャンペーンで登場したり、「Trust me」のコミュでは2人きりでかなり内心に突っ込んだ話をしたりと着実に実績を積み上げており、それが結実した形となった。
「セーラー服」タグについては、前年に実装されたデレステSSR[お菓子なドリーミング]の特訓前イラストが、普段日菜子が通学時に着ている制服であることから、「普段の日菜子のイラスト」の服装としてセーラー服を着せたものが増えたと考えられる。
また、151cm組の5人目のメンバーとして成宮由愛(150cm)を迎え入れたイラストや、2019年春に新規に追加された久川颯(151cm)を加えた5人としたイラストが描かれた。
2020年(暫定)
本稿執筆、およびデータ収集時点でまだ2020年が終わっていないため、2020年分は暫定的な収集となる。
公式の動き
- 2020-04-25 SR[どうぞ、お手を…] (「第27回ぷちデレラコレクション」上位報酬)
- 2020-08-04 ソロ楽曲「世界滅亡 or KISS」発表 (「アイドルマスターシンデレラガールズ劇場Extra Stage」第12話ED)
- 2020-10-04 デレステSSR[あなたに捧ぐ王子様] (「ゆめのメルヘンおとぎのハロウィンガシャ」:月末限定)
イラストの状況
イラスト枚数: 258枚
タグクラウド:
佐久間まゆ、森久保乃々の多さは変わらず。「ギュっとMilky Way」のイラストや2DリッチMV中で着用した衣装が多く描かれたほか、待望のソロ曲「世界滅亡 or KISS」をテーマとしたイラストも多い。
年間投稿数の推移
デレマス全体のイラスト投稿数はアニメ化及びデレステがサービス開始した2015年に大きく伸びているが、日菜子はアニメに登場しないためか、直接の影響は受けていない。2016年からは全体の伸びにあわせて、また総選挙を見越した応援的な意味合いで日菜子イラストの投稿数も伸びている。ボイスを獲得した第7回総選挙が行われた2018年には、デレマス全体の投稿数が前年割れしているにも関わらず自己の過去最多投稿数となっている。
その後も公式の出番の増加に伴ってか年間の投稿ペースを維持している。
おわりに
以上、Pixivに投稿された喜多日菜子のイラストを集計し年単位で投稿状況や共起タグ(共起アイドル)の変化を概観した。
日菜子はデレマス9年間の歴史においては比較的「強力な公式ユニット」の登場が遅く、初期はアイドル友達との人間関係があまり描かれなかったが、そのような公式からの供給が薄かった時期があったからこそ、151cm組や乃々、藍子などエンドユーザ側での自由な発想で組み合わされた二次創作イラストが発展する余地があったと推察される。
ドリームアウェイによるオリジナルユニット曲や日菜子のソロ曲発表後はそれらをテーマとしたイラストが増加している。
これからも日菜子のさまざまな公式ユニットや新曲・新衣装が登場し、また、ユーザサイドの自由な発想が生まれ、新たな日菜子のイラストが描かれることを祈念するものである。
感想
日菜子と愛海の妄想ワールド(あつひな)にユニット曲が来てあつひなイラストが増えてほしい。ドリームアウェイと同じくらいに。
さらに言えば公式で151’s結成してほしい。