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第9回シンデレラガール総選挙&VA投票ツイートの分析(メモ)

2020-08-09

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第9回シンデレラガール総選挙&VA投票ツイート単純集計の結果を分析しようとしたもののきちんと文章化する時間が取れず、今更ながらも、Twitterに流した表・グラフにかんたんな解説・感想を付けてお茶を濁そうというポストである。

以下の議論はすべて「投票ツイートのアカウント数」を集計したものであり、実際の投票数を直接観測したものではないことに注意されたい。(1票でも1ツイートだし、15000票でも1ツイートになる。また、投票してもそもそもツイートしない場合もある)

選挙戦術

第9回総選挙&ボイスアイドルオーディションでは、「総選挙の投票券」と「ボイスアイドルオーディション(以下VA)の投票券」がほぼ同数入手できるしくみとなっており、VAを戦うPにとっては「総選挙で担当アイドルに大量投票しようというPが持つ(特に投票先にこだわりがない)VA票を、いかにして担当アイドルに引き込むか」が大きなポイントとなった。総選挙を戦うPにとっても逆パターンが成り立つ。

そこで、「手持ちの総選挙(VA)投票券を交換材料として、選挙ガチ勢のPに交換投票を持ちかけ、総選挙-VA間の交換投票を行う」という戦術が生まれた。これを効率的に行うことで、理論上は投票券における課金効率を2倍にすることができた。

ボイスアイドルオーディション

「VAで○○に投票ツイートした人は総選挙で□□に投票ツイートしているTOP15x10」
「VAで○○に投票ツイートした人は総選挙で□□に投票ツイートしているTOP15x10」

縦軸はVAの投票先と投票ツイートしたTwitterアカウント数、横軸は、そのTwitterアカウントが総選挙では誰に投票したかを集計したものである。VA対象のアイドルが総選挙でも自分自身に投票している場合は赤文字で示す。
一つのアカウントで複数のアイドルに投票した場合、重複してカウントされる。

アイドルごとの動き

あかり・あきらの「声がついていない新規アイドル」という知名度

辻野あかり、砂塚あきらの2019年新規追加組は、同期で一足先にボイス付きとなった夢見りあむや当初からボイス付きの久川姉妹からの支援だけでなく、総選挙上位アイドルからまんべんなく投票を得ている。やはり直近の新規追加アイドルであるという一般的知名度は大きく、そのうちこの2人だけが未ボイスであることも周知されていることから、新規追加の7人全員にボイスを付与したいという力学が働いたと見ることができる。
その中でも砂塚あきらは、総選挙においては自分自身に投票しておらず、10位以内にまったく名前が挙がらない状態となっている(実際には13位)。これは上述の交換投票が重点的に行われたことを示唆している。

意識が高い(だけじゃない)つかさ社長Pの作戦勝ち

交換投票をうまく活用して結果を残したと見られるもう一人のアイドルが桐生つかさである。アカウント数ベースでは5位、(あかりあきらの追加組を除いて)先行する浅利七海の約65%のアカウント数でありながら見事VA3位の座を射止めた。これは七海やマキノが総選挙でも自分自身に投票しているのに対し、自分の総選挙票を交換投票に回して質の高い(票数の多い)交換を行った結果であると見ることができる。
(もちろん、七海やマキノがVA4位のごくギリギリなラインにいた可能性もあるが、今回のVAでは3位までしか結果は発表されず、4位以降はまったくわからず仕舞いとなった)

島村卯月の位置づけ

本稿で使用した集計データによれば、総選挙における島村卯月のTwitterアカウント数は1558、順位は31位と、突出したアカウント数ではない。その卯月の名前が唯一、表中に現れるのが辻野あかりの「総選挙投票先」6位の欄である。島村卯月はデレマスにおける「信号機の赤」であり、初心者プレーヤーがまっさきに目にする「メインヒロインっぽい子」である。
これは、「ライトユーザーはVAの投票先としてあかりを選んだ」可能性(あきらも同様の位置づけだが、卯月と属性・スタイル・髪型など、外見的により近いあかりを好んだ)を示している…かもしれない。

ユニットによる支援の動き

もしキャラクター性やユニットメンバー支援による影響がまったくないVAアイドルがいたとすると、その総選挙投票先アイドルは、純粋に総選挙の投票ツイートアカウント数に比例するはずである。今回の場合であれば北条加蓮、一ノ瀬志希、神谷奈緒、鷺沢文香…と続くはずであり、実際、今回の加蓮のアカウント数は圧倒的だったので、どのVAアイドルにも加蓮の名前が見られる。

そうではないところ、つまり総選挙のアカウント数に比して特に多くのVA票を投じているボイス付きアイドルのPが、「双方のキャラクター性が近くて好みである」とか、「ユニットのつながりがあって支援票を投じた」と解釈できる。
(本来ならば統計的に処理すべきであるが)ざっと見たところ、以下のような公式・非公式ユニットの関係性が見られる。

  • ギョギョっとニャンだふる(浅利七海←前川みく)、
    青森四姉妹(浅利七海←水本ゆかり)
  • ビビッドカラーエイジ(今井加奈←高森藍子・藤原肇)、
    イエローリリー(今井加奈←水本ゆかり)
  • ソル・カマル(ライラ←ナターリア)
  • ブルーナポレオン(松本紗理奈←上条春菜・荒木比奈・川島瑞樹・佐々木千枝)
  • ノーブルセレブリティ(西園寺琴歌←水本ゆかり)、
    フィオレンティナ(西園寺琴歌←相葉夕美)
  • イグニッションZERO(三好紗南←南条光・小関麗奈)、
    センス・メイカー(三好紗南←双葉杏)
  • にゃん・にゃん・にゃん(高峯のあ←アナスタシア・前川みく)、
    ダークイルミネイト(の憧れ)(高峯のあ←二宮飛鳥・神崎蘭子)
  • フリルドスクエア(工藤忍←喜多見柚)、
    青森四姉妹(工藤忍←水本ゆかり)
  • ドミ◎ドナ(財前時子←椎名法子)

上に挙げた以外にも、キャラクター性の近さなどから支援されたと思わしき組み合わせがいくつか見受けられる。

当然ではあるが、このような支援は「ボイス付きアイドル→未ボイスアイドル」間でしか行われない。従って「有力ユニットの相方がボイス付きである未ボイスアイドルは有利」と言える。

シンデレラガール総選挙

「総選挙で□□に投票ツイートした人はVAで○○に投票ツイートしているTOP15x10」
「総選挙で□□に投票ツイートした人はVAで○○に投票ツイートしているTOP15x10」

縦軸は総選挙の投票先と投票ツイートしたTwitterアカウント数、横軸は、そのTwitterアカウントがVAでは誰に投票したかを集計したものである。
一つのアカウントで複数のアイドルに投票した場合、重複してカウントされる。

アイドルごとの動き

VAの結果では3位以内に届かなかった忍や七海であるが、最大勢力である加蓮Pの支援を得られていないというわけではなく、Twitterアカウント数ベースではつかさを上回っていることがわかる。
「VA投票先」としてつかさが1位に挙がっているのは佐久間まゆのみで、他は3~4番手であることが多い。このことからも、つかさの交換投票は1Twitterアカウントあたりの実票数が非常に大きかったか、この表の範囲外(アカウント数16位以降)の幅広い層からも支援を受けたか、あるいはその両方であることが見受けられる。

特筆すべき組み合わせ

VAと同様、総選挙サイドから見たこの表においても、いくつか特筆すべき支援関係を見出すことができる。以下はその例である。

  • 神谷奈緒→岡崎泰葉(蒸機公演?)
  • 鷺沢文香→黒川千秋(同属性、年齢が近い、黒髪ロングなど?)
  • 緒方智絵里→今井加奈(クリア・ジェイド/Cu16歳)
  • 輿水幸子→ライラ(イリス・アブソリュート)
  • 速水奏→小松伊吹(ルミナスボーダー/映画好きつながり)
  • 高垣楓→並木芽衣子(和歌山組/ラブリーダイナーズ)

最終結果との相関

総選挙

投票ツイートのTwitterアカウント数と実際の総選挙結果との相関はいかなるものであっただろうか。

「投票ツイートアカウント数順位と総選挙順位の相関」 相関係数: 0.852
縦軸が総選挙結果順位、横軸がアカウント数順位を示す
投票ツイートアカウント数順位と総選挙順位の相関

「投票ツイートアカウント数順位と票数の相関」(欠損値が多いため相関係数は算出せず)
左軸(水色)がアカウント数、右軸(オレンジ)が投票数を示す
投票ツイートアカウント数順位と票数の相関

上記のように、一定の信頼度で投票ツイートアカウント数から総選挙順位を予測できることがわかる。
水色の線(アカウント数順位)より上に名前があるアイドルは「少数精鋭/重課金/ガチャブあり/投票行動がステルス」、下にあるアイドルは「広く浅く」の傾向があるといえる。

VA

VAについては、3位までしか結果が発表されなかったため、上記のようなグラフは作成しなかった。

おわりに

アカウント数で「総選挙投票先」の数値を割ってバイアスを除けば純粋にユニット支援やキャラクター性の近さによる支援関係が可視化できると思うのでいつかやってみたいですね……。
(本稿は日菜子の初ソロ曲「世界滅亡 or KISS」を聞きながら書きました)